なぜ行ったか? 私は学生時代を仙台で過ごし、嫁さんの実家が名取市にあるにも関わらず、今までボランティア活動をせず、何となく後ろめたさを感じていました。1年たったきりの良い時期で、たまたま会社の創立記念日で休みだったので、何も力になれないかもしれないが今しかないと思って行くことに。
仙台からレンタカーで東部道路・北陸道を北上。心配していた渋滞はなく、南三陸町災害ボランティアセンター(VC)へ。ここを選んだのは、まだ活動を毎日続けていたのと個人での受付が簡単だったから。他のVCも各地にありますが、ボランティアが集まらない等で閉鎖や縮小しているところが多いのが現状です。
南三陸VCは平日にも関わらず30~40名のボランティアが集まっていました。しかし当日4/12の新規の個人申し込みは3名と過去最低レベルとのこと。段々皆さんの関心が薄れている模様。
ボランティアの準備として、まず、近所の社会福祉協議会にてボランティア活動保険<災害型>に加入しておきます(私は勤務地の千代田区で1400円のものに加入)。次に各自で交通・宿泊手段(車中やテント泊の方も多い)を手配します。当日の持物は、長靴・軍手・ゴム手・屋外で耐えられる服装・カッパ・食事・飲み物などを自分で用意。あとは、当日朝にVCで申込み。南三陸VCは事前申し込み不要なので思いたったらすぐ行けます。
食料や資材調達は仮設のコンビニが頼り。町中は建物の基礎部分だけ残して、何も再建されておらず商店はもちろん開いていません。普段当たり前に思っているコンビニですが、ここで復興のためのインフラとして早期に再開したことに拍手を送ります。

初日に割り当てられた作業は、流された浜辺の建物跡にテントを設営すること。資材の太さを見てビビリましたが、テントを提供してくれたメーカーの方の指導をうけ組み立てます。写真は作業の合間に漁師さんと休憩しているところ。漁業資材が全て流され、個人での再開は難しいので、この地区で共同運営の会社を設立し、国の支援を受け再開しているとのこと。
9時~14時頃までの作業で何とか完成。早速、翌日からこの場所でワカメの収穫・選別作業を開始したとのことで、更地から漁業再開にいたる復興の一助となれた事を実感しました。

翌日のVCには、企業3社がバスを手配して参加しており、昨日より多い合計50人程度。うちの会社はボランティア休暇制度すらなく何とも残念…。会社が休暇や交通手段を提供してくれればもっとボランティア活動への参加が増えるし、従業員もそんな会社を誇りに感じるのではないでしょうか。
2日目の作業は、三陸名産ワカメの選別。この時期のボランティアは殆どこの漁業支援。茹でて塩蔵処理したワカメの先端と悪い部分をカットします。作業中に、漁師やボランティアとおしゃべり。海はガレキで汚れているのでは?と聞いたところ、「海はかなりきれいになった」との意外な答え。震災前は養殖のワカメ・かき・ほやを密集させすぎていたようで、津波後に少量から再開した現在は非常に育ちが良いとのこと。端切れのワカメを少し頂戴し、さっと茹でて頂いたところ、柔らかく香りの良い絶品でした!
当日ご一緒したボランティアは、東京・横浜・京都からの個人参加の方。特に東北に縁がある訳でもないのに、例えば阪神大震災でボランティアに参加せず歯がゆかった、などの動機で何回か参加しているとのこと。本当に頭が下がります。
たった2日の活動でしたが、現地で復興に取り組む地元漁師とボランティアの力強い姿を拝見でき、またごく僅かでも支援となったと思うので、良い経験となりました。ボランティア活動はそんなに難しく考えず、半分は東北観光に行くつもりでも、最低限の準備さえあれば誰でもできます。また、直接活動しなくても被災地の物品購入でも支援になります。
題名の「おでってさ」とは東北弁で「お手伝いに」という意味ですが、みんなが少しでも「おでってさ」を考えてくれれば幸いです。
(文責:白川真之)
(文責:白川真之)
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