朝の連続ドラマ「あまちゃん」の北三陸(もちろん架空の町)は賑やかですが、南三陸町中心部は更地のまま・・・。
昨年秋に更地だった、陸前戸倉には2件ほど店ができていた。1軒は魚やさん。元々ここで営業していたらしい。見事なカレイなど、現地で獲れた魚介がたくさん並んでました。
さて、ボランティアセンターへ。ボランティアは平日でもあり個人20名ほど、やはり昨年よりは少ない。その後、大会社が研修の一環で、大型バス3台ほどで参加。
この時期は漁業支援、ワカメ収穫がほとんど。
私が派遣されたのは数ある漁港のうち、「荒砥」の浜。
漁港はこんな感じ↑。
海から刈り取ったワカメの根っこ近くのめかぶ↑をまず切り取ります。
これが見事な形で立派!これを茹でると・・・
きれいな透明感あるグリーンに!。獲れたての、海水そのままで茹でたてのめかぶをガブリ。弾力ある歯ごたえと粘りと磯のかほり・・・。あれ、ボランティアに来たはず、仕事せねば。
仕事はわかめの浜茹で。左に積まれたわかめを右に少し見える熱くした海水で茹で、向こう側の冷たい海水で冷やし、袋詰めする作業。作業は単純ですが、4月というのに海からの風は強く、吹きっさらしで、海水もびしゃびしゃかかり寒い、寒い。この後、塩蔵処理(きつい塩水を作り、そのなかでわかめを漬け込む)します。他に、めかぶを外す作業などやって、浜での作業は終了。
このあと漁師のつねさんのご自宅へ移動し、中の作業です。
ご自宅近くでは、お母さんに津波時の様子を教えて頂く・・・。高台にある地区なのにここまで津波が来たとか、この家は防災庁舎で最後まで避難を呼びかけて亡くなったみきちゃんの家だとか。
家は無事だったものの、船や浜の家はすべて流され、しばらくは何もする気は起きなかったようです。やっとワカメの収穫までこぎつけたんですね。
いろんな話を近所の方にも聞きながら、わかめの選別作業。屋内作業はありがたい。
そんななか、ビッグニュースが飛び込んでくる。かねてつねさんが発注していた船が完成してこれから進水する!とのこと。さっき浜に船はあったはずだが、聞くと、ホタテなどには大型の船が必要で、ずいぶん前に発注していたそうです。
60歳代の方なので、これから大金を投資して漁業を再開するのは、小心サラリーマンの私には理解できない・・・。しかし、漁師さんは船を持って海に出ないと気が済まないらしい。
「うちのお父さんは、海にでて朝の澄んだ潮風にあたるのが一番気持ちいいんだど。(復興で)心配かけた皆さんにホタテなど送ってやりたい。買って送るのが安いんだけっども、自分が育てたのを送りたいんだ」
船を買った理由を語ってくれるお母さん。損得をこえた再開の意思に敬服しきり。仕方ないといいながら、ずっと付いていく覚悟のお母さん(船酔いするらしい・・・)も素晴らしい。
大して仕事もしないまま、作業は終了。
なんだか力強い現地の方々に元気をもらって、お別れしました。
めかぶは刻んでネギといっしょに少し茹でて頂いたり、ワカメはしゃぶしゃぶなどで堪能。
ついでに、また追分温泉で冷えた体を温めて帰途に。
本当に役に立たないボランティアでしたが、現地に行くきっかけになればと思ってますのでまた機会つくって行きたいと思います。
(文責:白川真之)